失恋をしっとりと歌い上げたシティポップ

歌詞

雑踏に塗れた人混みで泣いてた　君の涙の本当の理由は分からないまま
灰皿でひしゃげたマルボロの残り香　僕の心の埋まらない隙間を満たしてゆく
愛することが自分すら傷つけて行き場を失った素直な気持ちは
もう二度と会わないことでしか報われないのかな

君の心のわずかな領域　それが僕の居場所だった
ぴったりと収まっている振りをしているのを君は気づかずにいるんだと思ってたのに
二人過ごしたあの日の記憶を別のストーリーが上書きしていく
名作のワンカットを何度繋いでも完璧な映画など決して観れやしないのに

雑踏に塗れた人混みで泣いてた　君の涙の本当の理由は分からないまま
濃い口に仕上げたコーヒーの苦味が　僕の心の凍えている場所に染み込んでゆく

フィルムを巻き戻して君にまた出会えたら　上手く言えるかな僕は
あのとき言うべきだった　言葉　気持ち　今更もう届かない

君の台詞の柔らかな響き　それを僕は愛していた
字幕に潜んだどんな思いも僕だけは知っているんだと思ってたのに

君の心のわずかな領域　それが僕の居場所だった
ぴったりと収まっている振りをしているのを君は気づかずにいるんだと思ってたのに
二人過ごした全ての記憶を別のストーリーが上書しても
名作と呼ばれない映画の続きを何度でも僕らはきっと繰り返していく