90年代エレクトロ風レトロポップ

歌詞

振り返る事も
する暇もないまま
車に乗り込んだ

街は今日も
無数の人飲み込んで
ぐるりぐるりと廻る
まだ残る冬の寒さで
吐息が白く
濁って消えてく

きっとこの場所
何十年も
同じ様にあり続けて
同じ様に夢破れた人達を
見送って来たんだ

テイクアウトの
ジャスミンティーの香りが
タクシーの後部座席に
立ち込めてる
窓の外に広がる
数多の灯りが
哀しくも綺麗だな

果てない夜空に
光の手を伸ばし
街は寂しさを
嘆き続ける
喜び悲しみ
欲望を燃やして
キラキラリ
輝いている

思い思いイルミネーションを
自分達の家に飾って
街の人は今日も
明日に向かって
尽きない夢を語る

いつかこの都会に
戻って来ると
自分に嘯いたから
みんなとの別れも
お気に入りの夜景も
おざなりのまま

テイクアウトの
ジャスミンティーの香りが
夢を失くした
心の隙に滲み入る
季節外れに
散らつく雪を横目に
街は遠ざかって行く

消えない憧れも
冷めない情熱も
記憶の中に
仕舞おうとしても
流れる涙は
止められないから
世界が滲む

時が流れ
あの日夢見た未来とは
少し違う
生活を送っているけど
やっと今になって
昔の事を
振り返ることが
できる

今も
幾千の赫き
幾千の翳りを
街は繰り返し
詠い続ける
喜び悲しみ
欲望を燃やして
メラメラと
揺らめいている