アコギ/ 弾き語り/ 男性 /激しめ

歌詞

みんな彼の話をする時はいつも弔いの後のような顔で
「絵に描いたような嫌われものだ」と吐き捨てるように　僕に言った

自分を愛していることがわかる
その振る舞いには危うさが見える
自信と不安がコロコロ変わって
未完成のままの　からくりみたいだ

僕は彼の歌が好きだった
いや　今も彼の歌が好きなんだ
けど彼はもう　歌うことはないから
なのに僕は何を待ってるの

傷つけられたまま　抵抗しないのが
大人だと　植え付けた　誰かに壊された
彼はそう　繊細と呼ぶには弱すぎた
だから声を失くしたんだろう


みんな彼を忘れていくのか
いや僕だってそう　その中の一人
僕には彼が輝いて見えた
僕にないものを　全部持ってた

だから彼の歌がこわくなった
自分の作る歌が駄作に見えて
心を守るための理論武装が
いつのまにか壊れて僕に刺さる

傷つけられたまま　抵抗しないのが
大人だと　植え付けた　誰かに壊された
僕をそう　繊細と呼ぶのは卑怯だと
ただ僕だけ気付いてたんだ


先行く人達が手招いて　無神経に僕らに笑いかけてる
彼らが叶えた夢は僕らの　前で売り切れになってたんだ
これまで歩いた道をすべて　肯定するには歩き過ぎた
どれだけ進んでも楽にならない　僕らだけ立ってるここはどこだ

傷つけられたまま　抵抗しないのが
大人だと　植え付けた誰かに壊された
僕らを　繊細と　呼ぶには手遅れと
世界がもう告げてたんだろう