三味線185紀州道成寺1縁起絵巻安珍清姫

• No. 831591
• 三味線185紀州道成寺1縁起絵巻安珍清姫大蛇鐘巻能楽権現菩薩日高川歌舞伎文楽供養
• 8:23

• 音源種別 : BGM(インスト)
• チャンネル : ステレオ
• データ情報 ：
  • MP3（320kbps）
  • WAV（44.1kHz16bit）
  • INTEGRATED LOUDNESS (-16.9LUFS)
• 公開日時 : 2020/06/15

日本の伝統的な楽器、長唄三味線（細棹）生音の録音です。

「紀州道成寺」
文久元年(1861)三月
作曲　五代目 杵屋三郎助（後の十一代目六左衛門）

最初の部分です。
〽そもそも紀州道成寺と申すは　道成の卿承り始めて　伽藍橘の道成興行の寺なればとて　
道成寺と名づけたり　知るべの道は此方ぞと　和光同塵結縁の　倶に進むる仏法衆生　救はせ給ふ法の声　
章願誓志煩悩の　作りし罪も消えぬべし　鐘の供養に参らんと　月はほどなく入汐の　煙満ちくる小松原　
急ぐ心かまだ暮れぬ　日高の寺にぞ参りける　あれにまします宮人の　烏帽子をしばし仮に着て　
既に拍子をすすめけり　
仇し身の雪にそぼふる春の雨　花に柳の綾錦　時の調子をとりどりに　我妄執の消えめやは　
濁りに澄みて月清み　浮いて　変はるの世の習ひ　無明の夢も邯鄲の　枕にさとし五十年　
かざしの袂翻し　おりそへまがふ　その風情　一節かなで面白や


この曲はラスボスと称して過言ではない、でっかい、やばい、大変な曲です。
たまたま聞いていたのであれですが、メタルでいえばRhapsodyのEmerald Sword的な、国歌的な、やっべ今からドラゴン倒しに行ってくるわ、みたいなワクワク感やソードと叫びたくなる感じや、興奮感を味わえる部分もあれば、神事的な宇宙的な人間離れした儀式的な曲でもあります。
日本の古典芸能はいい意味で、個人が薄いというか、どこまで行っても一人でできない総合芸術であり、作曲者もクラシック音楽の作曲者のやっている事とは違う事も多くしていて、コラージュした人、リミックスした人、という意味も含まれています。
つまり、もともとある誰が作ったんだか分からない手を随所に入れ込み、それに合わせて作る事が当たり前です。その元々ある誰が作ったんだか分からない手というのは、なんだか人間の範疇を超えていて、宇宙が作った、神が作った、これはむしろ神事である、としか思えないものがたくさんあります。
長唄の「紀州道成寺」は「道成寺縁起絵巻」と全く同じストーリーで、能の「道成寺」を素にしてある作品で、この時代より以前の誰かが作ったものと、誰が作ったんだか分からないものが全て合わさり、この時に起きた奇跡が全部一度に詰まった集大成みたいな作品です。

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