東京に6カレッジ34学科99専門分野を設置する日本最大級の総合専門学校・日本工学院。放送番組の制作からデザイン、音楽、IT、スポーツ・医療まで、あらゆる業界をカバーする多彩な学科が用意されています。日本工学院八王子専門学校の「クリエイターズカレッジ」放送芸術科で、音声コースをご担当されている根岸先生に、Audiostockの活用についてお話を伺いました。
音により作品のイメージづくりを学ぶ!充実のカリキュラム
普段のお仕事内容について、お伺いできますでしょうか。
根岸先生:現在は、放送芸術科で2年生の担任をしており、実習では「音声コース」を主に担当しています。作品のプリプロダクション、撮影・録音の段階から、MA、ポストプロダクションまで、音に携わるところを指導しております。
根岸先生は、実際にどのような授業をされているのでしょうか。
根岸先生:私はMAを主に担当しているため、ソフトウェアを使った音声の編集や、映像に対しての音付けなど、選曲作業を含めた授業を行っています。 他には、過去に学校で制作されたショートフィルムの予告編映像を作る実習なども行っています。学生たちに好きに効果音や音楽を付けてもらうことで、音による作品のイメージの変わり方を学んでもらったりしています。
「音声コース」には何人の学生さんが在籍されているのでしょうか。
根岸先生:音声コースには各学年に約20名ずつ、在籍しています。毎年、放送芸術科に120名ほどが入学し、最初は全部のコース(カメラマン、制作、映像編集、音声、照明、美術)をまわるローテーション実習を受け、夏休み明けの9月に各学生が専攻するコースを決定します。人数が下回る年もありますが、だいたい各コース20名前後になります。
日本工学院ならではの教育内容・強みはどんなところでしょうか。
根岸先生:「コースを最初から分けない」というのが特徴です。大多数は入学当初から志望しているコースを専攻するのですが、映像の仕事は多彩で、実際に体験しないとその魅力がわからないことも多く、ローテーション実習を受ける中で希望が変わる学生ももちろんいます。そのため、学生が学びながらコース選択をできるよう、フレキシブルな体制を取っています。
卒業前にはコースの垣根を越えて、ドラマやバラエティ作品を制作
実習では、どれくらいの頻度で作品を制作されますか?
根岸先生:各学年、基本的には2本ずつ制作するイメージです。まず1年次は前期で生放送の形式で番組を1本制作し、後期でもう1本制作します。2年次では、前期からドラマと音楽番組を制作します。ドラマの制作は学園モノの作品が多く、美術セットも作り込んだりと、かなり力を入れています。もちろん、それらの制作でもAudiostockの音源を使っています。
卒業制作では、作品をどのように制作されているのですか?
根岸先生:昨年度の放送芸術科の卒業制作では、ドラマ2本、CM1本、クイズ形式のバラエティ番組1本の、計4作品を制作しました。学年の各コースに在籍する120人を4つのチームに分けて、30名ずつくらいで1作品を制作する形です。撮影はカメラマンコースが、制作・ディレクションは制作コースが、音については音声コースが担当・・・といった風にコースの垣根を超えて協力して制作するんです。
※若きつくりびと 日本工学院オンライン卒業展2023:https://www.neec.ac.jp/exhibition/2023/
完成した作品は毎年卒業展の中で公開されます。近年はリアルでの公開だけでなく、オンラインでもご覧いただけるようになりました。Webでの公開も前提となっていますから、ここでもAudiostockの音源を使っています。
各コースの強みを活かして共同で制作されているのですね…!Audiostockを使っていただく際、どのように音源を探していますか?
根岸先生:多くの学生はキーワード検索を使いこなして素早く音源を見つけ出しているように感じます。学校での作品制作では、オフライン編集で尺決めをした後、カラコレ(※)をしている裏でMAがスタートする、という状態がよくあり、色々な工程が同時に進んでいたりするので、選曲のスピードが結構求められるんです。そういった場面でも、Audiostockの検索のしやすさに助けられています。
音源ライブラリを一新!古いCDから「今感」のあるBGM・効果音に
Audiostockを導入する前は、どのように音源を探していらっしゃいましたか?
根岸先生:実は私も日本工学院の学生だったのですが、私が学生の頃からあったフリー音源のCDをみんなで使っていました。15年くらい前の物だと思います。
音源についてはもともとお困りでいらっしゃったんですか?
根岸先生:日本工学院を卒業し、制作の現場で働いてから教員として学校に戻ってきた際に、私が学生時代に使っていたCD音源と全く変わっていなかったので、新しい音源に変えたいと思ったんです。音が古いと、映像作品のイメージに合わなくなることがあります。学生に新しい音源を使ってもらうことで「今感」を出し、作品のクオリティを更にアップさせたいと考えるようになりました。
いい「音」を必要とされていたんですね。これまでに他の音源サービスも使っていらっしゃいましたか?
根岸先生:いいえ。特に他の音源会社様のお世話にはならず、基本的には学校にあるCD音源を使用していました。ただ、音を選ぶ時には試聴をする必要がありますが、CDを使っていると一枚一枚ディスクを入れ替えたりする手間が発生します。これにかなり時間がかかっていたので「そもそもCDで選曲する時代じゃないよな・・・」と思っていました。
コンテストやYouTube配信でも、権利の心配なく使える安心感
どういった経緯でAudiostockの導入を検討いただいたのでしょうか。
根岸先生:以前に、学生から「無料の音源サイトを作品作りに使ってもいいでしょうか?」という相談があったんです。それがきっかけですね。学校としては「権利が安心な音源サイトはどこか」を調査するようになり、そこから放送芸術科としてAudiostockの導入を本格的に検討するようになりました。
学生さんの発信がきっかけになったのですね。その後、Audiostockを使ってみて、いかがでしょうか。
根岸先生:教員の立場からすると、権利面での安心感が増しました。Audiostockの音源は権利面の不安ごとが解消されているので、教える立場からしても気持ちが楽です。Audiostockから音源をダウンロードすれば問題が無いことが分かっているので、学生にほぼ全ての選曲を任せることができています。また、映像のコンテストなどでも「権利が安心の音源を使うように」という規則が必ずあるので、ここもAudiostockを使えばクリアになります。また、「YouTube安心利用曲」など、YouTubeのアラート対策もありがたいです。
日本工学院では体育祭のWeb配信を行うのですが、配信トラブルを避けるためにAudiostockが役立っています。
貴校は著作権関連の資格取得にも力を入れられていたり、権利まわりの教育に力を入れていらっしゃるんですね。
根岸先生:はい。放送芸術科では、1年次にビジネス著作権検定を取得させています。現場に行ってから勉強するよりも、あらかじめ初歩的な知識を得ている方が、ルールを守って作品づくりに取り組めるからです。YouTubeなどで動画アップロードが簡単にできる時代だからこそ、権利まわりの意識を学生のうちから持ってもらいたいと考えています。
「曲被り」が無くなり、作品のオリジナリティが向上
Audiostockを使ってみて、他に何か良い影響はありましたでしょうか。
根岸先生:学生が制作する作品のオリジナリティが格段に上がりました。「Audiostockで検索すればイメージにピッタリの音源が見つかる」ということを学生も理解しているので、以前よりも積極的に選曲するようになりました。また、作品における曲被りがほとんど無くなったというのもいいですね。
曲被りというとどういうことでしょうか?
根岸先生:CD音源を使っていた頃だと、使える音源の数がとにかく少なかったんです。なので、卒業制作で4作品をつくる中でも、複数の作品で全く同じ曲を使ってしまうというケースがありました。しかしAudiostockには豊富な音源があり、さらに常に新しい音源が増えていっていますから、音源の被りも見られなくなったと感じています。
常に新しい音源に出会えることが、作品のオリジナリティの向上にもつながっているのですね。学生さんたちはAudiostockに対してどのようにお考えでしょうか?
根岸先生:みんなとても気に入っていますよ。「Audiostockを使えると助かる」という意見が多いです。入学後初めてAudiostockに触れた学生たちからは「今まで大変だった選曲の作業が楽しい!」といった声や「(権利面で)安心して使えるから嬉しい」という声が聞こえてきます。「在学中に自由にAudiostockを使える」ということは、放送芸術科のPRにも繋げていけるだろうと感じています。
最後に、Audiostockに期待したい点、改善してほしい点はありますでしょうか?
根岸先生:今と同じようなペースで、どんどんと音源を増やしていってもらいたいです。「音」の面で、作品の更なるクオリティアップにご協力いただければと思っています。
ご意見をありがとうございます!今後も多くの音源を更新できるように取り組んでまいります。本日は、ありがとうございました!
(※)カラコレとは
「カラーコレクション」の略。映画などの映像作品において、映像の色彩を補正する作業です。